行動経済学入門 【真壁昭夫】

 経済を見通す上で、人間の持つ不合理性を加味した条件出しが非常に難しい。ハーディング(群集心理)とコントロールへの欲求により、自分の考えがブレ、不合理な判断をしてしまう。

 

○富への執着がリファレンスポイントを動かす。

→100円の株購買時のリファレンスポイントは120円。が130円まで一気に上ることでリファレンスポイントがブレ150円になり、ポイントに到達を待つ間に100円を割り込むケース。また逆もしかり。

・こうした現象から、2つの大切な教訓を導き出すことが出来る。一つは、私達の心の中に「負に執着する心理」にむやみに執着してはいけない、ということ。少しでも儲かると、その儲けを大きくしようという心理が働くが、多くの場合それは良い結果を生まないこともあるだろう。

・もう一つの教訓は、リファレンスポイントの存在をしっかり意識するということ。リファレンスポイントがはっきりしないと、価値関数を描くことができない。ということは、特定の商品に対して、一体いくらの対価を払うことが適正なのかの判断ができなくなってしまう。これは、その時の気まぐれで買い物をしてしまうことへとつながってしまうため、お金がいくらあっても足りないということになりかねない。このように、リファレンスポイントは、私達の日常の生活の中でも十分に利用することのできるツールなのだ。

 

認知的不協和 Cognitive Dissonance

→自分の考えや前提としていた条件が間違っていたことをしていた証拠に直面したときに感じる心理的な葛藤。